*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

真っ直ぐに向けられる青い瞳に、灯は仕方なさそうに苦笑した。







「…………そうか。


それはよかった。



青丹丸も、お前に飼われて幸せだろう」







「………これからは、あなたも可愛がってあげられるわね」







「あぁ………そうだな」








見つめ合う二人を、小桃は言葉もなく見上げるしかない。






(そんな………灯が……灯が………!



小桃の灯がーーー!!)







涙目になって唇をきつく引き結ぶと、くるりと踵を返して来た道を戻っていく。






そんな小桃に気づくこともなく、灯と汀は静かに見つめあった。