*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

「あの子たち、青丹丸の友だちになってくれるかしらねぇ………」






独りごとのように呟いた汀の言葉を聞き、小桃が「え!?」と驚いた。






「あなたの犬……青丹丸っていうの!?」






汀も目を丸くして、「そうだけど?」と答える。






「あ………あなたが名前つけたの!?」




「いえ、迷子だったんだけど、名前の書いた紙が結びつけてあったのよ」





すると小桃が、ばっと灯を見上げる。




灯はすうっと顔を背けた。






しかし小桃はもちろん黙っていられない。






「灯、どーゆーこと!?


灯が引き取った朽葉丸の子犬、たしか青丹丸って名前つけてたよね!?



すぐに手離して誰かにあげたって言ってたけど………あれ、この人だったの!?」






「……………」