*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

汀と小桃の会話を後ろで聞いていた真菰と真砂は、ぷっと笑って顔を見合わせた。




そうして小声で言い合う。






「お姉さんと思って頼ってって………。


自分のほうが新入りで分からないことだらけのはずなのにな」







「本当だよな。


どっちかというと小桃が色々教えてあげる立場だと思うけど」







「なんかとぼけた人だなぁ」







「うん。こんな人を灯が花嫁に選んだなんて………意外だなぁ」







「あーでも、ちょっと天然なくらいが可愛いっていう主義なのかも」







「あー、そーゆーことか」









こそこそと交わされる会話を背中で聞いていた地獄耳の灯は、押し黙ったまま思い切り顔をしかめていた。