「ーーー灯が都からお嫁さんを連れて来たって!!」




「えぇぇっ!? あの灯が!?」




「そんなぁ〜〜〜………」




「なんでも高貴な貴族の姫君らしいよ!」




「えっ!? じゃあ攫って来たのかい!?」




「知らないけど、そうかも知れないねぇ………」







白縫村の女たちの話題は、灯が連れてきた姫君のことで持ちきりだった。







しかし当の本人はそんな好奇の視線に気づくこともなく、呑気に山を探検している。






「あぁ、久しぶりだわ、こんなにきれいな空気を吸うのは!


やっぱり、樹に囲まれるとほっとするわねぇ………」