*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

その群雲をちらりと見て、灯は「早く山に戻るぞ」と促すように告げた。




群雲は頷き、汀と露草に目を向ける。






「………さて、お嬢さん方。



俺は群雲という。


白縫山の盗賊、白縫山の頭領だ」







「まぁ、そうだったの。


私は汀というの、よろしくね。


こちらは露草よ」






「あ、はい、露草です。よろしくお願いいたします」







群雲は人の好さそうな顔で笑い、改まった調子で言う。






「さて、汀に露草。


お前さんたちは、こうして内裏から逃げ出してきたわけだが………。


これから先、どうするつもりなんだい」






汀がはっと気づいたように目を丸くした。





「あぁ、そうよね。


皆さん、私たちのことを助けるために来てくれたんだものね………。


ありがとうございました」






ぴょこんと頭を下げられ、藤波以外の四つ子と三人衆もつられてぺこりと頭を下げた。