*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

しかし、やはり露草は走り慣れないため、時々つまずいたりしてしまう。





それを糸萩は隣ではらはらしながら見ている。






前の方を飄々と走る灯、そして裾をからげて大股で駆ける汀。




彼らとの間が徐々に開いていくのが分かり、糸萩は足を止めた。







「ーーー露草さん!!


ちょっとごめんね!!」






「えっ!?」






糸萩は露草を抱き上げた。





「………ま、まぁっ!!


いけませんわ、重いでございましょう?


悪いですわ!!」






「大丈夫!


こう見えてもちゃんと鍛えてるから!


しっかりつかまっててね!」






「あっ、はい………っ」






露草は慌てて糸萩の首に両手を回した。