*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

男たちが一斉に灯に向かってくる。




灯はぎりぎりまで引き寄せておいて、寸前のところで跳び上がり、空中で回転した。






「…………えっ!?」




「あれ、消えた!?」






灯の姿を見失ってきょろきょろしている男たちの背後に音もなく着地すると、一番近くにいた二人を手刀で気絶させる。






気づいて振り向いた三人の胸の辺りを、同時に薙ぎ払うようにして蹴ると、呆気なく地に倒れて動かなくなった。






残るは五人。



ごくりと唾を呑み込み、灯に向かって刀を構えて間合いをはかっている。






「………………」






「………………」







灯は腕を組んで佇み、彼らを静かに見据えた。







「…………なにをやっておる。


多勢に無勢なのだ、早く捕らえよ!!」







春宮は苛々と声を荒げた。