*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

「そんな世間話をしている暇はないぞ。


面倒な奴らに見つかる前に、群雲のところへ戻ろう」






「うん、そうだね!!」






「………ムラクモ?」







灯の言葉に汀が首を傾げる。



しかし説明している時間はないので、灯は黙って汀の手を引いた。





「糸萩、そっちの娘を頼む」





灯が露草を指差して言った。



指された露草は、話の流れが分からずに目を丸くする。





「えっ? どういうことでしょう………」





「お前、汀について来るんじゃないのか。


そのつもりがないなら、ここに残ればいいが………」






灯に訊ねられて、露草は驚く。




そのようなことは考えてもみなかったのだ。