*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

ーーーーーその時。









「…………こんな所にいたのか」






呆れたような、低い声。








それが耳に届き、汀はばっと身を起こした。






声の聞こえてきた方に目を向ける。








開かれた妻戸の前に、ほっそりとした人影。





月明かりを背に受けて、逆光になっているので、顔は見えない。





頭巾を被っているので、髪の色も分からない。







でも、見紛うはずもない。












ーーーーー灯が、いた。