*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

首筋から肩へと撫でる手の感触に、汀の全身を怖気が走る。






「…………春宮さま、どうか、どうかお許しくださいませ………。


わたくし、気分が悪うございます………」






蒼ざめた顔で訴えるが、春宮は無視して汀を押し倒す。




そのまま覆い被さって抱きすくめ、胸元に唇を当てようとした。






(ーーーーーあ………っ!!)





汀は腕を上げ、春宮の胸を押した。





しかし下からでは力が入らない。




春宮の身体は頑として動かなかった。





「やめて………やめて!」





着物の裾に春宮の手がかかり、汀は鋭く叫んだ。