*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

卯花と楪葉はその調子で宮中を歩き回って、出会う人出会う人に嘘の情報を伝えていった。




誰もが呆気なく信じ込み、内裏の外れの方へと走っていく。





「………意外となるようになるもんねぇ」




「ほんと、こんな簡単にいくなんて、びっくりだよね」





そんな話をしながら、辺りにひと気が全くなくなったのを確かめると、二人は群雲たちのものへと戻った。






待ち受けていた群雲は、安堵したように息をついた。





「うまくいったか」




「ばっちり! いま向こうにはほとんど人がいないはずよ」




「よし………行くか」






白縫党の面々は、今度は皆で駆け出した。





目指すは春宮御所の方向である。