*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

「そんなにたくさんではないけど、ちらほら人がいた。



よく分からなかったけど、狼が入ってきたとか死霊が出たとか言って、探してるみたいだった」







「はぁ? 狼? 死霊??」







群雲が口をへの字に曲げて、訳が分からないといった顔をする。




藤波も同感といったように頷いた。




その横で灯は、しみじみと思う。




(………どうせあいつが、また何かやらかしたんだろう………)







情報を集めに行っていた黒松が戻ると、群雲が皆を間近に集めて口を開いた。





「………よし、それじゃあ、作戦決行だ。



卯花、楪葉。


心の準備はできてるか」






声をかけられ、二人は手をつなぎあってこくりと頷いた。