蒼ざめた顔で押し黙っていた春宮は、はっと我に返ったように立ち上がった。
「妻よ! それは一体なんなんだ!!」
汀は青丹丸を抱いたまま、きょとんとした様子で春宮を振り返る。
「あら、なにって……犬でございますわ」
「そんなことは見れば分かる!!」
春宮がしびれを切らしたように声を荒げた。
「なぜそのような賤しい生き物が、この高貴なる内裏の奥深くにいるのだ!!
犬は連れてくるなと伝えさせておいたはずだが!?」
「んま、青丹丸は賤しくなんかありませんわ!
見てくださいませ、このつぶらな瞳と愛らしい顔立ちを!!」
汀が両手に掲げもった青丹丸を差し出すようにぐいぐいと近づけるので、春宮は慌てて後退りをする。
「………やっ、やめよ!!
私を殺す気か!!」
ひーっと叫んで、春宮は青丹丸から顔を背けた。
「妻よ! それは一体なんなんだ!!」
汀は青丹丸を抱いたまま、きょとんとした様子で春宮を振り返る。
「あら、なにって……犬でございますわ」
「そんなことは見れば分かる!!」
春宮がしびれを切らしたように声を荒げた。
「なぜそのような賤しい生き物が、この高貴なる内裏の奥深くにいるのだ!!
犬は連れてくるなと伝えさせておいたはずだが!?」
「んま、青丹丸は賤しくなんかありませんわ!
見てくださいませ、このつぶらな瞳と愛らしい顔立ちを!!」
汀が両手に掲げもった青丹丸を差し出すようにぐいぐいと近づけるので、春宮は慌てて後退りをする。
「………やっ、やめよ!!
私を殺す気か!!」
ひーっと叫んで、春宮は青丹丸から顔を背けた。



