*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

灯は驚いたように目を瞠りながらも、こくりと首を縦に振った。






「………そうだよ。


内裏に………お宝を盗みに行くんだ」






「私たちも一緒に行くわ!」






卯花が言うと、灯は今度は首を横に振る。





「だめだ、危険すぎる。



いつもみたいな半端な貴族邸じゃない。


そうそう簡単は入れないし、首尾よく入れたとしても、無事に出てこられる保証はない。



………皆をこれ以上、危ない目には遭わせられない。


俺は一人で行くよ」






それを聞いて、傍らに立っていた群雲が、灯の肩を抱いた。







「いや。だからこそ、だ。


だからこそ、俺たちも一緒に行くぞ」






「群雲…………」






「乗りかかった舟だ、最後までとことん付き合うさ。


それでこその仲間だろう?」







他の皆も、群雲に同意するように笑顔で頷いた。





それを見て、灯は俯いて小さく呟く。






「…………ありがとう、皆………」