*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

灯は群雲の方を向き、小さく頷いた。






「………ありがとう、助かったよ。


あと少しで頭が胴体から離れるところだった」






真顔で言う灯の頭を群雲は軽く小突いた。






「ったく、本当にそうだぞ。


毎度のことながら、勝手なことばっかりして………って、こんな話は今はやめとこう。



早くずらからないとな。


見つかったら面倒だ」






「あぁ………すまなかった、反省してるよ………」







灯が珍しく反省などと言うので、群雲は驚いたように眉を上げた。






その時、大きな強弓を持った男が駆け酔ってきた。







「灯、無事だったか!」





「あぁ、青竹」







灯は笑顔で振り返った。