汀が幽閉されて、二日。



とうとう、入内の日となった。






塗籠に閉じ込められた汀をよそに、準備は着実に進められていた。




内裏に持ち込まれる装束や調度類は全てすでに車に積み込まれている。






汀は何も言わず、静かに畳の上に座り、時が来るのを待っているようだった。






その傍らで露草は、心配そうに顔を曇らせている。






(…………このまま内裏へ入ったら。


姫さまはもう二度と、外へは出られない。



この邸のように簡単に外からの出入りは出来ないのだから………)