*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

ざわめきの中心で、灯は風に髪をなびかせながら、検非違使たちを見つめる。








「…………それで、俺をどうするつもりなんだ」







すると、先頭の男がにやりと底意地の悪い笑みを浮かべた。







「…………そんなこと、聞かずとも分かっておろう?



お前は盗人だーーー。



京の平安を守るため、今ここで、お前を捕らえる」








灯は肩を竦めた。








「…………後ろの女二人と少年は、無関係だよ。



若くて見目が良いから、攫って人買いに売ろうと思ったんだが………。



見つかってしまったから仕方ない。




………お前たち、運が良かったな」







灯はそう言って、汀と露草、そして藤波の方を振り返った。