*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

青く澄んだ瞳が、男たちの背後から迫る頭巾の男の姿を捉えた。








「汀、じっとしてろ!!」








『右大臣殿の六の君』の真の名を、男たちが知るわけもない。






どこのどいつがそんな大声を出しているのかと、男たちは怪訝そうな顔で振り返った。







その目が灯の姿を捉える前に、男たちの視界は暗くなった。






恐るべき速さで駆け寄ってきた灯と藤波が、彼らを背後から蹴りつけたからである。











「……………わぁーーーっ!!」






「きゃあぁーーーーっ!!」









突如目の前で起こった椿事に、市に集まっていた人々が騒然となった。