*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語








そのころ、東二条の邸では。






「殿! ご報告がございます!」





一人の舎人が駆け込んできて、兼親は振り向いた。






「どうした」





「ただ今、小舎人童の一人から報告があったのです」





「小舎人童が? いったい何の話だ」





「いえ、どうやら、六の君さまとお会いしたことがあったようで………」





「ーーーはっ!? なぜだ!!」







兼親が目を剥いた。




舎人が困ったように眉を顰める。






「それについては口を割りませんでしたが………」





「…………まぁよい。続きを述べよ」







兼親が手を振って先を促した。