*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

二人が店の奥に座って待っている間。




老人は下働きの者たちにてきぱきと指示を出し、市で売られている品物を買いに走らせた。





壺装束(つぼしょうぞく)の形を整えるための飾り紐、それに懸帯(かけおび)、懸守(かけまもり)。




それと、長い歩行にも耐えうるような緒太(おぶと)の草履。




着替えの小袖数枚、懐刀、あると何かと便利な畳紙(たとうがみ)や油紙。




それらの荷物を纏めるための小物籠。




また、乾飯(かれいい)などの保存食と塩など。







全ての物がそろうのに、半刻もかからなかった。