*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

においを追っていくと、都中の老若男女が集まる東の市まで辿り着いた。





道の両側に、間口一間の小さな店が軒を接して並んでいる。





売られている品物は、実に様々である。




米や麦、魚、栗、果物などの食料品。



塩、味噌、油などの調味料。



土器や木器などの食器。



木綿や絹、麻、綾錦などの布類。



牛や馬まで売られているのだから、市の喧騒はたいへんなものだ。






どの店も、商品が人目につくように軒先に並べている。




その間を、虫の垂れ衣姿の女たちや、直垂に括袴姿の男たち、運送業を営む牛飼童などが、がやがやと冷やかしていった。