*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

父の裏切りはすでに知っていたこととは言え、改めて人の口からその真相を知らされて、汀の心はきりきりと引き絞られるようだった。






その心の痛みを察したように、露草も目頭を熱くした。






「ーーーお父君とはいえ、あまりにもむごい、このお仕打ち………。



姫さまにはいつお話し申し上げようかと、機会を窺っておりましたが………。



姫さまご自身で、お気づきになられたのですね」







露草の言葉に、汀は小さく頷いた。







「実家で使われている女の子が、ここへ来て教えてくれたの。




………お母さまは今、父上の援助を失って………。



お口に入れなさるものにも困っておられるのですって」







「……………まぁ!


なんと、おいたわしい………ご病気でいらっしゃるというのに…………」







露草は袖で目許を隠した。