*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

「ーーーそうよ。



その通りよ、千瀬。





私は………父上のために………。





…………いいえ。



父上に、これまで以上にしっかりと、お母さまのことを存分にお世話していただくために………。





その助けになるならと、入内を………。





………それなのにーーーーー」









汀はそれ以上、なにも言葉を出すことができなかった。






ただただ、千瀬が見守る中、俯いた顔を両手で覆い、肩を震わせるばかりであった。