*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

女たちはちらちらと視線を交わしながら、まだ笑っている。





「…………教えてくれよ」






灯が言うと、年かさの女が肩を竦めた。






「…………仕方ないねえ。


こんな色男に頼まれたんじゃ、教えてやらなきゃすまないじゃないか。



………ほんとは、こんなこと言うのは御法度なんだけどさ………」






「いったい、なんなんだよ」







女は周りの様子を窺ってから、声を抑えて話し始めた。







「………春宮さまって言ったらさ。



ーーー内緒だよ?」






「あぁ、分かってる」






女は上目遣いで焦らすように言う。







「………なんでも、ずいぶんなご変人らしいんだよ」