* その夜、父大臣の兼親が北の対へと訪ねてきた。 兼親は、ここのところずっと、たいそうな上機嫌である。 その特殊な容姿のために行く末を案じていた六の君が、春宮の女御として入内することが決まったのだ。 しかも、大納言芳正によれば、春宮は六の君の青い瞳をこそお気に召しておられるという。 一刻も早く内裏に迎えたい、ゆくゆくは正式な妃にしたいという春宮のお声を、芳正を通じて聞かされ、兼親の喜びは言いようもなかった。