*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

汀は、はっとしたように息を呑んだ。




露草の言葉に真摯な切なさを感じ取り、申し訳ない気持ちになる。





「………ごめんね、露草。


私、まったくあなたの気持ちに気づいていなかったわ。



まさかあなたが、寂しさを感じていたなんて………ごめんね。


あなたを悲しませるつもりは、少しもなかったのよ」






汀は露草の側に寄り、その肩を優しく撫でた。




露草は潤んだ瞳で汀を見上げる。






「…………姫さまは、お心に秘めた色々な思いを、人にお話ししたいとは思われないのですか?」






「…………あら、だって」







汀は首を傾げて、言う。







「私が心の中で感じていることを、だれかに話しても………その問題は解決しないじゃないの」