贈り主は、もちろん春宮である。





春宮は、ここのところ日に二度も三度も、汀のところへさまざまな贈り物を届けさせているのだ。




しかしその贈り物は、普通では考えられないような珍品ばかりなのである。





『鮭のめふん』という、茶色のどろどろとした珍味。


(見た目からして食べる気にはならなかった。)




火にくべても燃えない烏帽子。


(これをどうしろと?)




天狗の手形と足形。


(とりあえず飾ってある。)




未熟児の子猿の剥製。


(気味が悪すぎた。)




月の光を浴びると七色に光り、世にもおぞましい奇声を発するという謎の毛皮。


(恐ろしいので、燃やさずにそのまま仕舞い込んだ。)




水に濡らすと恨み節が浮かび上がるという真っ赤な紙。



(怖くて試す気にもならない。)







そして今度は、いかがわしい河童の手の木乃伊である。






汀は改めて、春宮の変人ぶりに辟易していた。