「…………灯………大丈夫か」





「……………」







水干の中の小袖までびしょ濡れになった灯は、髪の先から雫を滴らせながら群雲の前に佇んだ。





長い前髪から頬に伝う水滴に眉を顰め、水浴びの後の犬のように、ぶるぶると身を震わせる。





顔にかかった飛沫にも構わずに、群雲は呆然とした表情で灯を見つめていた。







「…………お前、ほんと、どうしたんだよ………」