ーーーーーーばしゃーんっ!!
けたたましい水音が響き渡り、群雲が慌てたように立ち上がった。
「あっ、灯!!??」
ーーー灯が沢に落ちたのである。
群雲の問いを耳にした瞬間。
灯は腕組みをして胡座をかいたまま姿勢で、ぐらりと身体を傾がせ、均衡を失って岩から転がり落ちたのだ。
「ーーーだっ、大丈夫か!? 灯!!」
「………………」
灯はまだ腕組み胡座の姿勢のまま、水の中で横向きに倒れていたが、群雲に呼びかけられて、おもむろに動き出した。
ざばざばと水音を立てながら、むすっとした表情で岩場に上がってくる。