*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

「………なんでもないさ」




「なんでもないことないだろう」




「気にするなよ」




「気になるに決まってる、お前は俺の弟みたいなものなんだから」




「…………あぁ」




「いつもと様子が違うと聞いたら、黙っちゃいられないぞ」




「……………」






灯は溜め息をついて空を見上げる。






その姿をじっと見つめながら、群雲は意を決したように口を開いた。









「…………もしかして。



恋煩い、か………?」