*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語








「あ、お頭! どうしたの?」




群雲を見かけた子どもたちが、わらわらと集まってくる。




「おぉ、お前たち、灯を見なかったか?」



「えぇ? 見てないよね」



「うん、今日は見てない」



「………そうか。ありがとう」





群雲は今、灯を探して、村中を歩き回っている。






「あ、お頭、灯さがしてんだって?」





真菰(まこも)と呼ばれる少年が、群雲を見つけて近寄ってきた。





「あぁ、真菰。灯を見かけたのか?」




「うん。さっき真砂(まさご)と一緒に沢に遊びに行ったんだけど、上流のほうの岩に灯が座ってるの見たよ」




「そうか……行ってみるよ、ありがとな」




「気をつけてね!」