*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

「…………なにが?」






灯は空を見上げたまま、小さく呟くように訊き返した。




藤波は眉根を寄せ、焦れたように答える。






「六の君の入内のことだよ。


………あの人が、春宮のお妃になっても、灯は………平気なの?」






「……………」






「それでいいの?」






「…………俺が平気も何も、問題じゃないだろう。


本人が承知の上で、入内を決めたんだろうから………。



周りがどうこう言うことじゃないだろ?」






「……………ちぇっ」








藤波は、いじけたように顔を背けた。