春宮の言葉に、芳正は鷹揚に頷いてみせた。






「…………御意にございます。


右大臣の姫君をお気に召していただき、よろしゅうございました。



では、さっそく、急ぎ入内の支度をするように、とあちらへ申し上げておきます。



今しばらくお待ちくださいませ」







「うむ、頼んだぞ。



…………あぁ、待ち遠しいのう。


早く我が手に入れたいものだ。



あの、美しき青き瞳をーーー」








春宮の呟きを耳にして、芳正は急き立てられるように瑞雲殿を後にした。