*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

灯は釣殿の端まで来ると、高欄の上に立っておもむろに振り返った。




弓矢や刀を持った男たちがこちらへ駆けてくる。



十数本の矢が同時に勢いよく飛んで来たが、灯は首を捻ったり軽く横に飛びすさったりして、全てを避けた。





男たちは目を剥き、警戒するように充分に間合いをとって灯と対峙した。





責任者らしい大男が、刀を構えて灯を見つめながら呻く。





「ーーーな………なんと不気味な髪だ!!


まるで地獄の炎ではないか!!」





背後の男たちも、恐れをなしたように脂汗を浮かべながら灯を見つめる。