*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

「きゃぁぁーーっ!!」



「わぁーーーっ!!」



「何事だ!!」



「どこで音がした!?」



「寝殿のようです!!」



「武器を持って向かえ!!」



「侵入者か!?」




その喧騒を尻目に、灯は飄々と動き回る。




何人かの下男や下女、舎人たちが灯の姿を目撃して、目を剥いた。




「ーーー赤い髪!!」



「白縫山の火影童子だ!!」




女房たちは恐れ、慌てふためき、どこに身を隠すべきかも分からずに寝着のままおろおろと廂を行き来する。




それが邪魔になって、武器を持った衛兵たちは思うように動くことができなかった。