*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

白縫山から都までは、鍛えられた者が全力で馬を駆っても、半刻近くはかかる。




その間、人目につかぬように気を配りながら、白縫党の面々は駆け続けた。





都の町外れにぽつぽつと建つ家々の明かりが、やっと見え始めた。





ここからは、さらに用心をしなければならない。





樹々がまばらになってきたので、灯はひょいと地に降りてきた。





それを合図にしたように、全員が馬から降り、目立たないところに馬を繋いだ。





「よし、行こう」





夜目の利く灯を先頭に、群雲は皆を守るように最後尾について、彼らは都へと入った。