* 「ーーー青丹丸! こっちこっち!!」 汀が呼ぶと、子犬はぴくりと反応して、機敏に振り返った。 ぴんと耳を立てて尻尾を振りながら、ころころと駆け寄ってくる。 「あおにまろーーっ!!」 ぴょんと膝に跳びのってきた青丹丸を、汀はぎゅっと抱きしめた。 「…………あぁぁぁ〜〜〜っ!! かわいいかわいいかわいいっ!!」 はしたないとは自覚していながらも、堪えきれずに叫んでしまう。 「なんでこんないかわいいのっ!? 青丹丸、だいすきよっ!!」 そんな汀を、露草は苦笑しながら眺めていた。