「俺にも食わせてくれ。


腹が減ってるんだ」





灯は群雲の向かい側に、片膝を立てて座った。




群雲は溜め息をつき、懐から小刀を取り出す。




鹿肉を切り分けながら、灯を軽く睨みつけた。





「………お前、どこに行ってたんだ」




「…………」





灯は黙って焚火を見つめている。





「やっと村に帰って来たと思ったら、二日と経たないうちにまた消えやがって。


何の音沙汰もなしに、もう三日目だぞ?」




「………ああ、ちょっとな」





灯は事情を話す気も、弁解するつもりもないようだった。





「小桃が泣いてたぞ」




「………そうか、すまなかったな」





群雲は再び溜め息をつき、切り分けた肉を枝に刺して灯に放った。