*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

「あっ、そういえばね!」




小桃がお下げ髪を揺らし、明るい表情で灯を見上げる。




灯は「ん?」と言って視線を下げた。





「朽葉丸(くちばまろ)が、子を産んだんだよ!」





小桃がそう言うと、灯は眉を上げた。





「ほんとか」



「なんと、八匹も!」



「そうか、見に行かないとな」



「小桃もついてくー!」



「あぁ、案内してくれ」






灯は小桃に連れられて、白縫村で飼われている犬、朽葉丸のもとへと向かった。