*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

微かに震える長い睫毛を見つめながら、灯は汀の肩を揺さぶった。







「汀。おい、起きろ」






「…………あ、ーーーさま………」







汀の瞼が、ゆっくりと上がっていく。







「…………汀?」






「…………あ、さまーーー」







仄暗い闇の中で、その双眸は、朝靄の空のような薄花色に煌めいた。






どこか朦朧とした表情で、汀は灯を見上げる。







「…………あら……」







「………ん?」