*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

反応はなかった。





「…………おい」




「……………う、………」





汀は寝返りをうち、またも掠れた声で唸る。




夢にうなされているようだった。





「……………おい、大丈夫か」





灯は一歩、褥に近づいた。





「……………ん、あ………」




「…………おい……?」





吸い寄せられるように、傍らに腰を下ろす。





透き通るような肌の白さと、烏羽玉のような髪の黒さの対比が、灯の目を射た。