* 夜の帳が下り、二条邸は眠りについた。 汀も、御帳台の中の夜着に身を埋め、すやすやと眠っていた。 しばらくは安らかな寝息が続いていたが、不意に、苦しげな呻きが微かに洩れる。 「…………う、うぅ………」 汀は顔を顰めて寝返りをうった。 それでもまだ、寝苦しそうな呼吸が続いている。 「…………っ、う、あ…………」 再び寝返りをうち、唸る。 「…………ふ、………あぁ。 …………………まーーー」 小さな声だったが、縋るような声音は、今にも泣き出しそうに潤んでいた。