*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

(…………底なしに明るい。



どうやったら、あんなに馬鹿な人間に育てるのか………)








灯はまたも溜め息をつき、両手で顔を覆った。





そのとき、妻戸がわずかに開いた。





灯が軽く身を起こして見ていると。






すぅ、と何かが差し出された。






そしてすぐに戸が閉まる。







「…………?」







灯は鼻をくんくんと動かしつつ、ゆっくりと起き上がった。






近づいて見てみると、高坏に載せられた真っ白な強飯と箸だった。







「………………」








灯は高坏を持ち上げ、畳の傍らに移動させた。







(……………ふん。


可愛いところも、あるじゃないか)








内心で独りごちながら、灯はくすりと笑って箸をとった。