*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

納得できない汀は、もう一口食べてみた。




そしてやっぱり、「いいえ、美味しいわ!!」と主張する。





さらに、自己確信だけでは満足できず、灯にも食べさせようとする。





灯は汀の右手首を掴み、本気で拒絶した。







「いや、もう食べなくても分かってる!!


その飯は、死ぬほど不味い!!



俺は別に美食家でもなんでもないが、これはとにかく不味すぎる!!



犬ころの餌だって万倍ましだ!!」







その言葉に、汀は頬を膨らませる。







「あらっ、犬ころの餌がどんな味かなんて、分からないじゃない!!



とぉーーーっても、考えられないほど、不味いかもしれないわよ!?」







「………いや、分かる。


俺には分かるんだ。



とにかくその飯は、人の食いもんじゃないっ」