*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

「………でもねぇ。


うふふふ………。


私のおすすめの食べ方は、これよ」








そう言うと汀は、醤を強飯の上にぼとりと落とした。





さらに酢の小皿をとって、迷いなくどぼりと垂らす。







「……………!?」







灯は驚いたように息を呑み、無言のままその様子を凝視している。






汀は「ふんふーん」と奇妙な鼻歌を歌いながら、強飯と醤と酢をぐちゃぐちゃぐちゃとかき混ぜ始めた。







「これをやると、露草にすごく怒られちゃうんだけど………」






「……………」







言いながら、雉肉の膾と干し鰯をその中に放り込み、さらに混ぜる。







「とぉっても、おいしいの!」






「……………」







味は食べてみないと分からないが、見た目は、とにかく、非常に、たいそう不味そうだった。