*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

その様子を、露草は呆然と見つめる。








(ーーーなんという………。


この者は、本当に、いったい何者なのだろうーーー。



この常人ばなれした感覚は、どうも人間とは思えない………。



やはり、妖なのではないのかしら………)







露草は、この赤髪の若者が恐ろしくて仕方がなかった。





しかし、その思いを、この若者をいたく気に入っている主君に対して、直接申し上げるわけにもいかない。





露草は漠然とした不安を、ひとり胸の内にしまいこんだ。