私はもう逃げようと決意して、今こうして場所を探しているのだ。


何も持たず、靴も履かずに。


家を出る前に、玄関に来た母親に言ってやった。


「こんな家、出ていってやる!

もう絶対戻ってくるもんか!」



ドアを開け、出ていった。

親の顔を見ると、悲しむどころか、喜びの笑顔を見せていた。