屈んだ優の視線は私よりも低くて、さっきよりも距離が近くなる。


差し出されたメニューを受け取り、目と目が合った瞬間、優の大人びた顔がふにゃりと崩れたーー。



「柚子、久しぶり」



そう言った優はなんだか泣きそうな顔だった。


嬉しくて笑っているようで、それでいて切なそうなーーそんな表情。


それにつられて、私の顔も崩れた。


込み上げてくる涙を堪えるのに必死だ。


だって……変わってない。


いくら背が伸びようと、いくら大人びていようと、いくら長い間会っていなくとも。


彼は優だ。


間違いなく、優だ。