「はい、これ被ってね」
ポンと渡されたのはフルフェイスのヘルメット。
勉さんもそれを被り、バイクに股がった。
「今日も昨日のところへ行くんですか?」
「ううん、今日はまた別のところ。さぁ早く乗って」
言いながらヘルメットのシールドを閉じて、後部座席をポンポンと叩く。
私はヘルメットを被り、少し遠慮がちに股がって、勉さんの腰に手を回した。
「ほら、ちゃんと掴まってないと落ちてもしらないよ」
手を強引に引っ張られ、がっちりと腰に腕を巻き付ける。
わわっ。
やっぱりなんだかこれは、緊張する。
よく考えたら雄馬にだって抱きついたことは無いのだ。
緊張するのは当たり前だろう。



