金魚すくい



悶々と考えてたら、気づけば夕方。


それは同時にバイトの終わりと、勉さんと食事に行く事を告げている。



「お疲れさまでした、お先に失礼します」



そう言って他のバイト仲間に声をかけ、スタッフルームの扉を閉めた。


少しずつ日が長くなってきたな。


夕日が眩しく駐車場を照らしていた。


そこを抜けた先に、黒いバイクが夕日に照らされ、その反射する光が私の瞳を射した。


思わず手を当て目を細めてバイクの隣にいる人物に声をかける。



「お疲れさまです、勉さん」



私に声をかけられた相手は、にこりと笑い、吸っていた煙草を携帯用灰皿の中に入れた。



「お疲れ、叶さん」



ああ……勉さんはなんだか安心する。


大人だからかな。


もし自分に兄がいたとしたらこんな感じなのだろうか。